ベンチプレスが伸びない5つの理由【停滞打破】

ベンチプレス停滞

ベンチプレスの停滞は男性トレーニーなら誰もが一回は悩むことでしょう。

しかしながら、停滞の原因はトレーニングボリュームやサイクル、重量設定など必ずどこかにあります。

今まで自分が成長してきた方法から何かしら変えなければいけないというのも事実です。

本記事では、ベンチプレス停滞を突破するために何を変えればいいのか、基本となる知識を解説したいと思います。

筆者

筋肥大+練習あるのみ

筆者について

トレーニング、特にビッグ3が好きなパワーリフティング愛好家。マックスは、ベンチプレス135kg、スクワット215kg、デッドリフト255kg。筋肥大と筋力の最大化を目指して日々精進中。

スポンサーリンク

ベンチプレスが伸びない理由

ベンチプレスが伸びない場合、以下の5つの要素を見直すといいと思います。

  • ボリュームが足りていない
  • サイクル構成が適切でない
  • 重量設定が適切でない
  • 休憩時間が短い
  • フォームの練習が足りない

上から優先度が高い順に並べています。

この順番にしている理由も含めて、1つ1つ解説していきます。

ボリュームが足りていない

ベンチプレスに限らず、何かの種目や部位が伸びない場合は、ボリュームが足りていない可能性が高いです。

ボリュームとは、重量xレップ数xセット数のことです。

ボリュームは筋肥大にも筋力向上にも一番重要な要素です。なぜなら身体は与えた刺激にしか適応できないからです。

今まで成長できていたボリュームでも、ある程度身体ができあがるとさらに多くのボリュームを必要とします。いわゆる漸進性過負荷というやつです。

このボリュームに応じて筋肥大の度合いが変わります。 身体が回復できる範囲であれば、やるだけ筋肥大するのです。 少なくとも1部位週10セットはやるのが最適だと研究で考察されています。*(1)

さらに、筋力は筋量に応じて強くなることも示されています。*(2)

つまり、伸び悩んでいたらまずはボリュームを増やしてみることが重要です。一旦は以下を目安に設定してみましょう。

  • 週に胸の種目を10セット以上行う
  • 頻度は週2回以上行う

最適なボリュームや頻度に関して

推奨ボリュームや頻度に関してざっくり説明すると、上記のようにボリュームは週10セット、頻度は週2回以上です。

基本的に週のボリュームが同じであれば頻度によって筋肥大の差は出ませんが、1日にやりすぎると効果が落ちてしまうため、頻度は週2回以上にするといいでしょう。*(3)(4)

1週間単位のボリューム、1日単位のボリューム、頻度に関して別記事をまとめています。お時間のある時に読んでみてください。

週のセット数【最低10セット?】筋肥大に必要な1週間のセット数についての研究と考察 1日のセット数筋トレで1日の最適なセット数は?【やり過ぎは良くない研究結果】 筋トレ頻度筋トレの頻度は筋肥大に関係ない研究【重要なのはボリューム】

オーバートレーニングしないか?

おそらくベンチプレスの停滞を抜け出すアドバイスとして「やり過ぎだ」と言われたことがある方もいるでしょう。

もちろん、その可能性も十分にありえます。

オーバートレーニングなのか、ボリュームが足りていないかの超シンプルな判断方法は、主観的な疲労度です。

毎回トレーニングを終えるのが非常に辛くて、いつも筋肉痛や疲労感がひどい場合は、オーバートレーニングかもしれません。

身体が回復に追いついていないということなので、少しボリュームを減らしてみた方がいいかもしれません。

反対に、いつも普通にトレーニングをこなせて、そこまで疲労度も無い場合は、ボリュームを増やしていいでしょう。

しかしながら、一般的にはボリュームが足りていない場合が多いです。

コツとしては、アイソレーション種目ではなくてコンパウンド種目に集中することです。主観ですが、「やり過ぎ」な方は必要以上に種目数が多かったり細かい種目を行っています。

特異性の法則に習って、ベンチプレスを伸ばしたいのであればベンチプレスに最注力しましょう。

※特異性の法則:身体は与えた刺激に対する特有の適応をみせること。極端な例では、ベンチプレスをやればベンチプレスが強くなりますが、スクワットは強くならないということです。

サイクル構成が適切でない

「サイクル」と聞くと「俺はパワーリフターじゃないから関係ない」と思う方も少なくないと思います。

しかしながら、適切なトレーニングサイクルの構成は筋力を追うパワーリフターだけでなく、一般的な筋肥大トレーニングにも非常に重要です。

適切に漸進性過負荷をかけながらも、オーバートレーニングを避ける(疲労を管理する)ことができるからです。

なぜベンチプレスの停滞打破にサイクルが必要なのかというと、純粋に成長スピードが落ちているだけだからかもしれないからです。

今までは毎週2.5kg伸びていたかもしれませんが、今度は1~3ヶ月単位で考えていく必要があります。(毎月2.5kgでも年間で30kg伸びると考えたら恐ろしいです。)

月単位でしか伸びないのに毎週ベストを更新(低レップでも高レップでも)しようとしたらどうなるでしょう?必要以上に疲労が溜まり、成長できません。

そのため、ある程度楽なトレーニングから徐々にセット数や強度をあげるサイクルにするべきなのです。

サイクルの作り方はこちら

トレーニングサイクルはささっと書ききれないほど深いトピックなので、筋トレのサイクルの組み方を解説します【参考例あり】にまとめてあります。

筋トレのサイクル筋トレのサイクルの組み方を解説します【参考例あり】

MV・MEV・MAV・MRVという考え方

トレーニングを構成する際に非常に重要な考え方が以下の4つのボリュームです。

  • MV:筋量維持ボリューム
  • MEV:最小効果的ボリューム
  • MAV:最大適応ボリューム
  • MRV:最大回復ボリューム

簡単にいうと、MEV→MAV→MRVという風にボリュームを増やし、ディロードでMVに減らします。

例えば1週目は8セット、2週目に10セット、3週目に12セット、4週目に14セット、5週目はディロードで6セットのような感じです。

詳細は非常に長くなってしまうので、マイクイズラテルのMEV・MAV・MRVトレーニングボリューム理論をぜひ読んでください。

mike israetel's theoryマイクイズラテルのMEV・MAV・MRVトレーニングボリューム理論

重量設定が適切でない

続いて、重量設定です。ここは非常に単純な話で、重要なポイントは2つあります。

  1. 達成できない重量とレップを狙っている
  2. 目的を持って重量とレップを設定する

1つ目は前述したサイクルの話にも共通していますが、伸ばしたいからといって毎回毎回ベスト更新を狙っていてはダメです。疲労だけがたまってしまいます。

毎回伸ばせないのが嫌かもしれませんが、そこまで高レベルになったと考えてください。

効果的に筋肥大させフォームを習得するためにも、前述した通りサイクルを組んだトレーニングをお勧めします。

2つ目は当たり前な話かもしれませんが、筋肥大したいなら高レップ(6~12)で筋力を伸ばしたいなら低レップ(3~6)に集中するのが良いです。

こちらもトレーニングの組み方を大きく関係していますが、基本的には筋肥大狙いの時期と筋力狙いの時期を分けた方がいいです。(筋力狙いでも当然筋肥大は起こりますが、程度の違いがあります。)

一般的な中級者レベルであれば、筋肥大と筋力が2:1の割合程度でちょうどいいでしょう。上級者になるにつれ筋力強化時期の割合を高めるべきです。

なお、筋肥大狙いの時期に3レップでやってもいいですし、筋力狙いの時期に8レップでやってもいいです。あくまでどちらに集中するかという話です。

ちなみに1週間の中でこのようにレップ数を変化させるのをDUP(Daily Undulating Periodization)と呼び、世界的に主流になっています。

1RM更新の注意点

ありがちなのが、8レップなど比較的高レップで日頃トレーニングしていながら、いきなり1レップマックスに挑戦してしまうことです。

これは特異性の法則に大きく反していて、本来出るべき1レップの力が出せません。身体は8レップに特化しているからです。

1レップに限らず、特定のレップ数でベストを更新したいときは、そのレップ数でトレーニングしましょう。

パワーリフターなど本格的なピーキングをやる方には、Greg Nuckolsによるピーキング:パワーリフティングの大会で自己ベストを更新する方法をお勧めします。

ピーキングピーキング:パワーリフティングの大会で自己ベストを更新する方法

休憩時間が短い

これは一般的なジムでトレーニングをする人にとって、避けにくい問題です。

しかしながら、休憩時間が長い方(3分)が筋肥大にも筋力にも良いことが明らかになっています。*(5)

休憩時間を短くすると使用できる重量が落ちたり、レップ数が落ちたり、フォームが崩れたりと悪いことばかりです。

3~5分休憩するのは少し気まずいかもしれませんが、妥協すると悪影響が非常に大きい部分です。しっかりとセット間休憩は最大限の力が出せるくらい長く取りましょう。

フォームの練習が足りない

最後にフォームの練習量です。安全にベンチプレスを行えるレベルのフォームはできているという前提で、さらに重量を上げるためのフォームという意味になります。

基本的にフォームを習得するには、以下のような手段があります。

  • トレーニング頻度を増やす
  • 低レップ高セットで行う
  • 苦手な部分を補助種目で直す

スポーツ同様、ベンチプレスも上手くなりたいならたくさんやった方がいいです。トップベンチプレッサーがエブリベンチといって毎日やるように、テクニックのためには高頻度が効果的です。

また、高レップだと1レップ毎に集中しにくいため、フォームを練習したいなら3~5レップの低レップが良いでしょう。

ボトムやロックアウトなど特定の部位が苦手な場合は、その部分をたくさんできるような補助種目が効果的です。

例えばボトムが苦手であればロングポーズ(3秒)だったり、ロックアウトが苦手ならナローベンチなどを取り入れられます。

フォームの重要度が低いのはなぜか?

なぜ重要度が低いかというと、一般的なレベルでは筋肉量を増やすことの方が長期的な成長が見込め、フォーム修正は小手先のテクニックになってしまいがちだからです。

ボディビルダーでもベンチプレスを200kgレベルで扱う人がいることからもわかりますが、筋肉量が多ければフォームは完璧でなくても高重量はあがります。

本当にバイオメカニクスや自分の体格・強みを考慮しつくしたフォームを習得するべきなのは、トップレベルのパワーリフターくらいで良いでしょう。

何年間もトレーニングすることを考えると自然にフォームは習得できるため、パワーリフターを除いてそこまで深く考える必要はないと思えます。

ベンチプレスが伸びない理由:まとめ

以上がベンチプレスの停滞を突破するために振り返る必要がある5つの項目になります。

個人的な感覚では、ボリュームとサイクルを見直した段階でほとんどの人はまたベンチが伸び始めると思います。

「今までこれで上手くいっていたから変えたくない」と思うかもしれませんが、「何かを変えなければいけないレベル」に到達しているということです。

これから長期的に成長していくためにも、トレーニングの基礎を身につけて停滞を抜け出しましょう。

読んでいただきありがとうございました!

参考文献

  1. Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis July 2016Journal of Sports Sciences 35(11):1-10 DOI: 10.1080/02640414.2016.1210197 Brad J Schoenfeld Daniel I Ogborn James Krieger
  2. Prediction of one-repetition maximum load by total and lean body mass in trained sand untrained men March 2012Medicina Sportiva 16(3) DOI: 10.5604/17342260.1011391 Eduardo Lusa CadoreEduardo Lusa CadoreRonei S PintoRonei S PintoMichel Arias BrentanoMichel Arias BrentanoShow all 8 authorsLuiz Fernando Martins KruelLuiz Fernando Martins Kruel
  3. How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency December 2018Journal of Sports Sciences DOI: 10.1080/02640414.2018.1555906 Brad J Schoenfeld Jozo Grgic James Krieger
  4. Med Sci Sports Exerc. 2019 Mar;51(3):515-522. doi: 10.1249/MSS.0000000000001818. Evidence for an Upper Threshold for Resistance Training Volume in Trained Women. Barbalho M1,2, Coswig VS3, Steele J4,5, Fisher JP4, Paoli A6, Gentil P2.
  5. Schoenfeld, Brad & Pope, Zachary & Benik, Franklin & Hester, Garrett & Sellers, John & Nooner, Josh & Schnaiter, Jessica & Bond-Williams, Katherine & Carter, Adrian & Ross, Corbin & Just, Brandon & Henselmans, Menno & Krieger, James. (2015). Longer Interset Rest Periods Enhance Muscle Strength and Hypertrophy in Resistance-Trained Men. Journal of Strength and Conditioning Research. 30. 1. 10.1519/JSC.0000000000001272.