5/3/1プログラムの内容と評価 【誰に効果的か】

ウェンドラー531プログラム

ある程度トレーニング経験を積んで来た人であれば、「5/3/1プログラム」という物を耳にしたことがあるかもしれません。

効果があるのか、自分がやるべきなのか、悩んだことがある人もいるでしょう。

本記事では、5/3/1プログラムのプログラム概要やメリット・デメリットを解説したいと思います。

筆者

バランスが取れたプログラム

筆者について

トレーニング、特にビッグ3が好きなパワーリフティング愛好家。マックスは、ベンチプレス135kg、スクワット215kg、デッドリフト255kg。筋肥大と筋力の最大化を目指して日々精進中。

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531の概要

5/3/1プログラムは、ジム・ウェンドラーによって作成されたトレーニングプログラムです。

パワーリフティングのプログラムだと思われがちですが、実際にはジム・ウェンドラー自身がパワーリフティングを辞める際に作ったプログラムです。

他の運動もたくさんやりつつ、ジムでは依然として高重量を挙げたいです。できる限りのモビリティ、柔軟性、強さ、コンディションを得たいのです。その想いから5/3/1プログラムに辿り着きました。

5/3/1: How to Build Pure Strength - T NATION

そのため、パワーリフターが対象ではないでしょう。

内容は至ってシンプルで、4週間(内1週間はディロード)のサイクルを回し、週4回のセッションでベンチプレス・デッドリフト・ショルダープレス・スクワットをメイン種目として行います。

それでは、プログラムの詳細を見ていきましょう。

531のプログラム

全体像

前述した通り、4週間のサイクルで構成されており、毎週セットされているレップ数が異なります。

  • 1週目:3セット x 5レップ
  • 2週目:3セット x 3レップ
  • 3週目:3セット x 5、3、1レップ
  • 4週目:ディロード

そして、週毎の挙上重量とレップ数もパーセンテージで指定されています。ここで重要なのは、実際の1RMを使用するのではなく、1RMの90%をベースにするということです。

つまり、ベンチプレスのマックスが100kgであれば、このプログラム内での100%は90kgになります。

セット1セット2セット3
165% x 575% x 585% x 5+
270% x 380% x 390% x 3+
375% x 585% x 395% x 1+
440% x 550% x 560% x 5

それぞれ最終セットは「+」と記載しております。いわゆるAMRAP(As Many Reps As Possible)のようなもので、可能であれば予定されているレップ数を超えてやっていいということです。(出来ないのであればもちろんやらなくていいです。)

4週間毎に、1RMにベンチプレスやショルダープレスの上半身種目は+2.5kg、デッドリフトやスクワットの下半身種目は+5kgして再計算します。

補助種目

各セッションのメイン種目だけでなく、筋肥大や怪我防止のために、補助種目を取り入れます。

補助種目は決まったものではなく、いくつかのパターンを提唱しています。以下に3つ紹介します。(メイン種目に対して補助種目を並べています。)

パターン1: Boring But Big

  • スクワット:スクワット5セットx10レップ、レッグカール5セットx10レップ
  • ベンチプレス:ベンチプレス5セットx10レップ、ロウイング系種目5セットx10レップ
  • デッドリフト:デッドリフト5セットx10レップ、レッグレイズ5セット
  • ショルダープレス:ショルダープレス5セットx10レップ、懸垂5セットx10レップ

見て驚愕するかもしれませんが、メイン種目を軽くしてそのまま5セット10レップ行い、もう1つ別種目を行うものです。

もしくは、スクワットの日にデッドリフトを補助種目に、ベンチプレスの日にショルダープレスというように、入れ替える方法もあります。

シンプルに、筋力と筋肥大どちらも追い求めたい人に推奨される形式です。

パターン2: Triumvirate

  • スクワット:レッグプレス5セットx15レップ、レッグカール5セットx10レップ
  • ベンチプレス:ダンベルプレス5セットx15レップ、ロウイング系種目5セットx10レップ
  • デッドリフト:グッドモーニング5セットx12レップ、レッグレイズ5セット
  • ショルダープレス:ディップス5セットx15レップ、懸垂5セットx10レップ

上記はあくまで一例ですが、メイン種目とは別の種目2つでボリュームを稼ぐ形式です。

基本的にはメイン種目と同様の筋群(もしくは上半身なら上半身種目、など)を行うと、プログラムを組みやすいでしょう。

「Boring But Big」と比較して、より一般的なプログラム寄りになっています。メイン種目の重量よりも筋肥大重視の場合はこちらが良いでしょう。

パターン3: I'm Not Doing Jack Shit

  • スクワット:なし
  • ベンチプレス:なし
  • デッドリフト:なし
  • ショルダープレス:なし

その名の通り、「何もやんねえ」です。

時間がなくメイン種目だけに集中したい人はこの形式でも問題ありません。

ジム・ウェンドラーのアドバイス

カスタマイズしない

このプログラムは、「無駄なことを考えずにジムで必要なことだけやる」ことを目的に作られています。

基本的に、トレーニング歴に関わらず、5/3/1プログラムはそのまま行うように伝えています。

The 5/3/1 Philosophy for Beginners - JimWendler.com

また、どんなプログラムにも共通していますが、知識がない人が中身をいじると本来の意図から掛け離れてしまうかもしれません。

そのため、基本的にカスタマイズはしないようにしましょう。

重量設定を誤らない

1RMの90%をトレーニングマックスとして重量を設定すると、「軽すぎる」と感じる人がいます。

しかしながら、ゆっくりと毎月2.5kg/5kg増やしていくことが目的ですので、それは問題ありません。

最初が軽すぎるからといって、いきなり重量を増やすことは避けましょう。

531のメリット・長所

5/3/1プログラムは、以下のような点が強みに思えます。

  • シンプルで考えなくていい
  • 筋力向上させやすい
  • 定期的にディロードできる

ジム・ウェンドラー本人が望んでいるように、やはり「無駄なことを考えなくていい」プログラムです。

1RMだけ計算すれば、あとはメイン種目4つと補助種目を、事前に決まった強度・レップ数でやるのみです。

自分でトレーニングプログラムを組む自信や経験がなかったり、純粋に面倒な人には非常に便利でしょう。

また、作者がパワーリフティング出身ということもあり、比較的低レップ(メイン種目は最大5レップ)と、筋力向上に向いています。

強度が低い時期も用意されていますので、しっかりフォームの練習も出来ます。

無視されがちなディロードが4週毎に組み込まれているのも魅力的です。ディロードにより身体を休めるだけでなく、刺激に対して身体をリセットできるため、停滞を防ぐ効果もあります。

531のデメリット・短所

一方で、5/3/1プログラムには以下のような弱みも考えられます。

  • 上半身のボリュームが少ない
  • ビッグ3の頻度が低い(パワーリフティング視点)
  • ディロードが多い

まず一般トレーニー(筋肥大が目的)の場合、上半身と下半身のボリュームが1:1である必要性はあまりありません。

もちろん脚も大きくしたいのであればいいのですが、一般的にこういったボリューム配分でやると上半身よりも下半身の肥大が速いです。

同様に、肩や腕などアイソレーション種目があまり考慮されておりませんので、コンテストレベルにシンメトリーを求める人にも最適ではないと思われます。(補助種目は個人次第ではありますが)

また、パワーリフティング視点で見ると、ビッグ3の頻度が低いです。基本的にビッグ3を週1の頻度でしか出来ない人は、かなり身体が大きくて筋力も強い人です。

それに加え、ベンチプレスとショルダープレスの頻度が1:1である点も、パワーリフティングには特異性が欠けています。オフシーズンで身体を作りたい時であればいいかもしれません。

パワーリフティングのトレーニング頻度

パワーリフティング頻度パワーリフティングのトレーニング頻度について考える

最後に、4週間の内1週間のディロードは、人によっては多すぎになり得ます。というよりも、恐らくほとんどの人にとって多すぎます。

ディロードはもちろん重要です。4~6週間に一度は取ったほうがいいと思います。

しかしながら、ビッグ3の頻度同様に、4週の内1週(3:1の比率)は余程身体が大きく強い人でない限り、必要には思えません。(もしくはスポーツをしていて疲労がたまりやすいなど)

改めて、ディロードそのものを否定しているわけではないので、ご注意ください。

ディロードの重要性

ディロードの研究筋トレとディロードの研究結果や効果的な方法【筋肥大の効率向上?】

考察

やはりジム・ウェンドラーが「パワーリフティングを辞めるときに辿り着いたプログラム」という要素が強く感じられます。

パワーリフティングに特化しているわけではないですが、ビッグ3(メイン4種目)はそれなりに高重量を扱えます。

同時に筋肥大に特化しているわけではないですが、もちろん筋肉も大きくなるでしょう。

パワーリフティングで強くなりたい「だけ」であれば、より特異性を高めたトレーニングプログラムを組めます。

身体を大きくしたい「だけ」であれば、よりボリュームを高めたトレーニングプログラムを組めます。(上半身のセット数や全体的なレップ幅など)

この5/3/1プログラムは、筋力と筋肥大どちらも達成したい、かつ、プログラムを無駄に深く考えたくない人に向いています。

筋力にも筋肥大にも効果はあると思いますが、どちらかに最適な状態ではないと言うことです。

また、4週間サイクルでマックスを増やしていくため、ある程度成長が遅くなった人(少なくとも初心者ではない)が適切な対象となります。

そう考えると、5/3/1プログラムが一番向いているターゲットは、「筋トレにハマってきたけど、フィジークやりたい訳でもないしパワーリフティングやりたい訳でもない」あたりの人に思えます。

とりあえずこのプログラムをやっておけばメイン種目をしっかり成長させられるので、何かに特化しようとした時のキャリーオーバーが大きいです。

そのため、ある程度トレーニング経験があるけれど、特にやりたい競技がある訳でもなく、とはいえ重量は伸ばしたいし身体も大きくしたい人にはもってこいです。

ぜひ、「これは自分だ」と思った方は5/3/1プログラムを試してみてください。

読んでいただきありがとうございました。

参考文献

  1. 5/3/1: How to Build Pure Strength by Jim Wendler | 07/07/09 - T NATION
  2. Wendler 531 Training System – Complete Guide 2019 - EMERGING ATHLETE
  3. Boring But Big - JimWendler.com
  4. The 5/3/1 Philosophy for Beginners - JimWendler.com