TSA中級2.0プログラムの内容と評価 【パワーリフター必見】

TSA中級2.0

今回紹介するプログラムは、パワーリフティングのトレーニングプログラムです。

TSAによって無料公開されている、「9 WEEK INTERMEDIATE2.0 COMP PREP/MOCK MEET」になります。

それでは、TSA中級2.0トレーニングプログラムの概要やメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

※プログラム内容だけ見たい方は、TSA公式サイトより「9 WEEK INTERMEDIATE 2.0 COMP PREP/MOCK MEET」をコピーしてください。

筆者

これが無料は凄い

筆者について

トレーニング、特にビッグ3が好きなパワーリフティング愛好家。マックスは、ベンチプレス135kg、スクワット215kg、デッドリフト255kg。筋肥大と筋力の最大化を目指して日々精進中。

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TSA中級2.0の概要

TSAは、 The Strength Athleteの略称で、アメリカのパワーリフティングコーチンググループ です。

105kg級でトータル902.5kgを記録しているブライス・ルイスが設立者であり、現在世界中のトップ選手達をコーチングしています。

そんなTSAですが、有料のパーソナルコーチングだけでなく、無料のトレーニングプログラムも公開しています。彼らの知見・経験を元に、バランスを取ったものです。

TSA中級2.0のプログラムは、その中の1つになります。

「中級って誰?」と気になる人もいると思いますので、先に説明しておきます。

ウェイトトレーニング経験がそれなりにあって、パワーリフティング経験は2年程の男性/女性を対象として定義しています。

TSA Intermediate Approach 2.0

パワーリフティング経験2年ということで、ある程度は経験を積んでいる人が対象です。

トレーニングプログラムの内容は、9週間のサイクル、トレーニング頻度は週4で、9週目に1RMを測定するようにピーキングも組み込まれています。

9週間のボリューム/筋力/ピーキングという点からも、初級者は本プログラムを考慮すべきではないと思いますし、そのように説明されています。

TSA中級2.0プログラム

全体像

※本記事内では、あくまで概要の紹介とします。プログラム内容を直接見たい方は、TSA公式サイトより「9 WEEK INTERMEDIATE 2.0 COMP PREP/MOCK MEET」グーグルスプレッドシートをコピーしてください。

前述した通り、サイクル全体で9週間となっています。(5週目にディロード、9週目に1RM測定あり。)

期間内容
1~4週目筋肥大・高ボリューム
5週目ディロード
6~8週目筋力・高強度
9週目1RM測定

上記表のように、4つの要素から構成されています。

最初の4週間は、比較的高レップ・高ボリュームで行い、出力を高める前の基礎力を身に着ける期間になります。

5週目にディロードを行った後に、3週間高強度の期間が用意されています。出力向上を感じ始めるのはこの時期になります。

そして9週目にボリュームを落としてコンディションを整えながら、1RM測定へと入ります。

ビッグ3の頻度

本プログラムでは、各種目以下のような頻度になっています。

また、あくまで以下の頻度は競技形式だけに限ったものではなく、バリエーション種目も含んでいます。

種目頻度
スクワット週2回
ベンチプレス週4回
デッドリフト週2回

種目毎のサイクル特徴

スクワット・ベンチプレス・デッドリフトそれぞれで、種目に合わせたボリューム・強度や補助種目が設定されています。

  • スクワット:高ボリュームでスタートしながらも、低レップが多く、早い段階から強度を高めて練習できます。また、ボリュームを増やすためにレッグプレスも含まれています。
  • ベンチプレス:週4回練習するだけでなく、1週目から1レップのトップセットもあります。それに加え、クロースグリップや足上げなどの補助種目で基礎力強化を狙います。
  • デッドリフト:デッドリフトは週2回の内片方がポーズデッドリフトです。これによるテクニックやブレーシング向上が狙いみたいです。強度は後半から上がっていきます。

補助種目

ビッグ3以外の補助種目に関しては、週4回の背中種目が中心で、他にはほとんど用意されていないです。

男女差

「女性の方が高ボリューム・高強度で結果が出やすい(もしくは耐えられる)」ということはよく聞きます。

本プログラムでは、男性/女性を選択できるようになっており、男性の方が低ボリューム、女性の方が高ボリュームになっています。

プログラム作成者からの注意点

本プログラムを行う際は、出来るだけ以下の条件を満たすようにしましょう。

  • カロリーを少し多めに取る(ゆっくりと増量)
  • 7~10時間の睡眠を取る
  • ストレスを出来るだけ溜めない

TSA中級2.0のメリット・長所

TSAのコーチが考えたプログラムを無料で使える、というだけでかなりのメリットに感じます。 パワーリフターをコーチングしているパワーリフター達によるプログラムですから、相当知見が詰まっているでしょう。

それ以外でも、本プログラムはパワーリフティングに最適化されているという点が大きなメリットです。

  • ビッグ3が高頻度
  • ボリュームと強度のブロックに分かれている
  • 種目毎の特性が考慮されている

一般的な筋肥大を目的としたトレーニングプログラムにありがちなデメリット(パワーリフティング視点で)は、「ビッグ3の練習が少ない」や「それぞれの種目が同等に扱われている」ことです。

パワーリフティングの競技力向上を考えた時に、特異性の観点から極力ビッグ3に触れたいですし、ベンチプレスとデッドリフトで同じことはしたくないはずです。

ビッグ3のトレーニング頻度

本プログラムでは、ベンチプレス週4、スクワット・デッドリフト週2という比較的高頻度で身体を適応させられます。

人によっては「高頻度すぎる」と思うかもしれませんが、中級リフターに対しての一般的なテンプレとしてであれば、特に高頻度すぎるとは感じません。

扱う重量が重いほど、身体が大きいほど、筋肉量が多いほど、トレーニング頻度は落とした方が適正ですが、中級トレーニーへのテンプレートですし、これ以上の頻度でやっているトップ選手もいるでしょう。

ボリュームと強度のブロック構成

また、最終目標が1RM測定となっているため、それを効率的に行うために、ボリューム(筋肥大とほぼ同義に捉えて大丈夫です)と強度のブロックに分けています。

大半の人にとっては内容が変わった方がトレーニングも楽しく続けやすいですし、全てを同時に追求すると身体が上手く適応しません。

高ボリューム→ディロード→高強度という一連の流れで、高重量に徐々に慣らしていけます。

種目毎の違い

ここがTSAのプログラムの最も特徴的な部分ではないでしょうか。(無料で出回っているもので)

頻度から補助種目、レップ数、強度など、彼らの知見を元に種目毎に設定されていて、プログラムを受ける側として非常に安心感があります。

例えば、どの種目も「3セット8レップ」とやるのは、あまり効率的ではないでしょう。ベンチプレスでは簡単に8レップできますが、デッドリフトでは異常に疲労します。

また、同様に身体への刺激も同様ではないため、ベンチプレスとデッドリフトが同じセット数で良いはずがないです。ベンチプレスの方がセット数は多いべきです。

そういった点で、全ての種目を伸ばすために最適化されています。


上記以外にも、ディロードとピーキングが組み込まれているのもありがたいです。

高ボリューム期からいきなり高強度に移行すると疲労が溜まっていて、結果が出ないどころか怪我のリスクも高まるでしょう。ピーキングも同様です。

それらが最初から決められていて簡単なだけでなく、このプログラムを参考にその内自分でカスタマイズするための勉強にもなり得ます。

ディロードについて

ディロードの研究筋トレとディロードの研究結果や効果的な方法【筋肥大の効率向上?】

TSA中級2.0のデメリット・短所

正直デメリットはほとんどないと思いますが、思いつく点としては以下の通りです。

  • 人によっては頻度が高すぎるかも
  • あくまでテンプレートであり、個人差に対応できない
  • ボディビル的なシンメトリーは求められない

無理矢理捻り出しましたので、2番目と3番目はそもそも的外れです。

パーソナライズされたトレーニングプログラムが欲しければ、誰かしらにコーチングを依頼しましょう。もちろん、このプログラムの効果がないという訳ではありません。

筋肥大に関しても、ボディビルダーのように筋肥大させたい(特に肩・腕・ふくらはぎなど)は、パワーリフティングのプログラムは選ばない方がいいでしょう。

とはいえ、プログラムの構成としては学べるものが多いので、筋肥大目的の人も本プログラムを参考にしてみてカスタマイズしてもいいかもしれません。

種目を追加する際には、ボリュームを調整するように気をつけましょう。

トレーニング頻度が高すぎる

唯一ありえるデメリットは、個人的にこの頻度にあると思います。

特に、身体が大きい・背が高い人や手足が長い人は、どの種目もその分だけ疲労が刺激が増え、疲労が溜まりやすいです。

強度の変化やバリエーション種目によって刺激は様々なので、局所的に疲労が溜まらないような構成になってはいますが、念の為注意しましょう。

また、経験が浅くフォームが安定していない場合、頻度を増やすことで、悪いフォームに身体がさらされる頻度を増やすことになります。

そういった意味でも、「パワーリフティング経験2年」は守った方が良いように思えます。

パワーリフティングの頻度

パワーリフティング頻度パワーリフティングのトレーニング頻度について考える

考察

これが無料で手に入るのは凄いです。

パワーリフターだけでなく、ビッグ3を伸ばしたい人には非常に効果的だと思います。

9週間のサイクルではありますが、伸びている間は何回も繰り返し使えばいいだけです。 これを回し続けるだけでも結構伸びると思います。

強いて言えば、ある程度実力が付いてくると9週間では1RMが伸びないかもしれません。

高ボリュームブロックから高強度、そして1RM測定の間隔が短いからです。

また、「腕や肩の種目がないけど筋肥大はするのか」と不安な人もいると思いますが、これだけベンチプレスと背中のボリュームがあれば、一般人的にはかなりの筋肥大になるはずです。

「筋肥大が足りていない」と感じるのは、ボディビル的な観点からだけでしょう。

プログラムを行うだけでなく、中身が非常に参考になるので、ぜひ一度確認してみてください。

» TSA公式サイト (9 WEEK INTERMEDIATE COMP PREP/MOCK MEETより)

読んでいただきありがとうございました。

パワーリフティングのためのピーキングパワーリフティングのためのピーキング

参考文献

  1. The Strength Athlete 9 week intermediate 2.0 comp prep/mock meet