スクワットをデッドリフトの重量に追いつかせる方法

スクワットをデッドリフトに追いつかせる

How to Help Your Squat Catch Up With Your Deadlift

著者:Greg Nuckols

執筆日:2015-11-27 (2020-3-21訳)

Greg Nuckolsはトレーニング科学の学士習得・修士習得中のパワーリフターです。パワーリフターとして100kg、110kg級の世界記録を3つ保持したことがあり、またコーチとして何百もの選手をサポートした経験があります。MASSの執筆者の一員でもあります。

本記事は、Stronger By Scienceの許可を得て、英語から翻訳しています。Stronger By Scienceはトレーニーを実践的・科学的アプローチでコーチング、またメディアで情報を発信しているグループです。※画像の出典元は原文記事になります。

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序論

デッドリフトに比べ、スクワットには機械的に効率がいい部分がいくつもありますが、なぜデッドリフトの重量に追いつけないのでしょうか?

ある1つの違いによるものです。

スクワットとデッドリフトの違い

一見すると、ほとんどの人がスクワットよりもデッドリフトの重量が重い事実が変に感じられます。

大抵の場合はスクワットよりもデッドリフトの方が高重量でできるため、スクワットよりもデッドリフトの方が自然と強くなると当然に考えがちです。

しかしながらその考えを排除すると、あまり理にかなっていないです。

この文章を見た途端に、次のように思うかもしれません。

「当然理にかなってる!スクワットは膝と股関節の最大屈曲角度が大きくて(一般的にはそれにより挙上が難しくなる)、単純にバーベルも長い距離動かさなきゃいけない(一般的にそれにより挙上が難しくなる)。そりゃあデッドリフトよりもスクワットの方が難しくなるはず。」

しかしながら、それだけで終わる話ではありません。

挙上を失敗するのは、可動域全体で筋力が足りていないからではないです。挙上中最も難しい点で筋力が足りていないから失敗するのです。

スクワットの利点4つ

利点1

スクワットのスティッキングポイントはパラレルの若干上にあります。

※スティッキングポイント:挙上の最も難しい点。

より重要な点はその瞬間、ほとんどの人にとってデッドリフト挙上開始時のポジションよりも肩が高く位置していることです。

挙上に必要な膝と股関節伸展トルクだけを考えれば、デッドリフトできる重量は、スクワットもできるはずということを表面上意味しています。

大腿四頭筋が非常に弱くボトムから上がる際にお尻が後ろに動き、スネが大体垂直になったとしても(デッドリフトのように)、デッドリフトと同様のポジションになるだけなので、そのポジションでその重量が引けるのであれば、同様の重量をスクワットするだけの股関節伸展トルクも生み出せるはずです。

スクワットとデッドリフトの足幅の違いがこれに影響してくると考えるかもしれませんが、デッドリフトの2スタイル、およびスクワットの足幅2種類間における差は(大臀筋に関しては筋活動に統計的有意差がありましたが、その差は非常に小さいものでした。差が小さいと予測される理由はこちらで解説されています)、非常に小さいです。

利点2

スクワットにおけるもう1つの利点は、膝の前方移動を制限してしまう、スネの前にバーを置く要素(デッドリフトのように)がないことです。

背中が弱くなければ、より上体を起こして、スティッキングポイントに達した際にバーの下方にお尻を潜らせます。(それによりスティッキングポイントではかなり大きい股関節伸展トルクが減少し、大腿四頭筋に重量が移ります。四頭筋はスティッキングポイントに達した段階ではそれほど大きな負荷がかかっていません。)

そしてスティッキングポイントを抜けて挙上を終えられます。

最も強いポジションが何であれ、デッドリフトの挙上開始時と肩が同じ位置になるようにバーを上げられれば(ほとんどの人はできます)、少なくともデッドリフト居城開始時と同じくらい、もしくはそれ以上に強いポジションに位置できるはずです。

利点3

さらに、スクワットではスティッキングポイントに到達した際に、バーがすでに動いています。

推進力がいくらか存在するのに対し、床引きのデッドリフトでは推進力や伸張反射を得ずに挙上開始します。

どれくらいの重量を上げられるかという観点で考えた際に、その点に関してはデッドリフトよりもスクワットの方が有利でしょう。

利点4

スクワットの最後の利点は、スティッキングポイントを抜けると、実質的に挙上が終わっていることです。

バランスを崩さない限り、挙上を終えられます。

一方でデッドリフトでは、平均すると膝下あたりにスティッキングポイントがあります。個人差は大きいですが。(床から上げられれば挙上を終了できる人には関係ないですが、床から浮かせた後にデッドリフトを失敗する人には関係あります。)

そのため、スクワットではスティッキングポイントに到達する前にデッドリフト挙上開始時の高さを越えているだけでなく、スティッキングポイントを抜けるや否や、挙上は終わったようなものです。

しかしながらデッドリフトでは、ほとんどの人がバーが床から浮いた後に失敗します。

  • スクワットで最も弱い位置では、デッドリフト挙上開始時よりも肩の位置が高い
  • 制限なく膝を前方移動させられる
  • デッドリフトでは静止状態から上げなければいけないポジションから、推進力を持って上げられる
  • 高重量デッドリフトでは失敗する可能性が高いが、スクワットではスティッキングポイントを越えると実質成功が保証されている

上記全てをまとめると、スクワットの方が本質的に簡単な種目のように思えます。

しかしながら、2つの重要な違いを無視しています。

それは、ブレーシングと胸部脊柱起立筋の筋力です。

※ブレーシング(bracing):胴体や脊柱を安定させるために身体を固める行為です。腹圧も含まれます。

ブレーシング

これを直接的に支持する科学的根拠はないことは認めますが...

  1. スクワットとデッドリフトの比較といった特殊な状況においてどのように研究するのかもわかりません。
    動作中の様々な点における様々な筋肉の活動を比較でいますが、どのようにして客観的に「良い・悪い」を評価するのかわかりません。
    トレーニング経験の長い人・短い人の筋活動パターンを比較することも可能ですが、それでもコントロールできない要素が多いでしょう。
  2. これが合っていないと、現在知られている動作習得についての基礎全てに反することになります。

人間は生涯、床から物を拾ったり、手や身体の前に重い物を持ったり運んだりします。

バーベルに触れる前から、デッドリフトに非常に似ていて、同様な体幹ブレーシングパターンを必要とする動作を何千回も行っているでしょう。

新たな動作パターンをより習得しやすい子どものころから、この練習をしているのです。

一方でスクワットは、赤ちゃんの時からスクワットしているとはいえ、高重量を肩に乗せて最大限しゃがみ、そこから立ち上がった経験は筋トレを始めるまでないでしょう。

胴体の胴体ブレーシング負荷に関していえば、自重スクワットとバーベルスクワットは大きな差があります。

スクワットを始めるまでこのブレーシングのパターンを学んでいなかったのです。

初めてスクワットとデッドリフトをやった際のことを思い出してみてください。それぞれの種目における快適さに非常に大きな差があったと思います。

大半の人はかなり早くデッドリフトがそこそこ上手なレベルまで習得します。脊柱をまっすぐ保つために1つや2つ指示は必要かもしれませんが、一般的にデッドリフトの習得は早いです。

それが理由で、大半の人、特に初心者は、スクワットよりもデッドリフトの方が疲労すると感じるのだと私は考えます。

デッドリフトはそこそこ上手いけれど、スクワットがひどいため、筋肉の実際のキャパシティに対して高いパーセンテージでデッドリフトのトレーニングを行っており、スクワットは動作パターンが非効率的なため、単純に筋肉と神経系に同レベルの負荷をかけられないのです。

スクワットは多くの場合、全くの別物です。初心者の多くは自重で比較的上手くスクワットできますが、背中にバーを乗せると、一気に悪化します。

実力のあるコーチであれば1~2セッションの間にかなり良いスクワットに成長させられますが、しばらくの間は明らかに不自然な動作となります。

また、初心者にスクワットを習得させる際に最も利用されるゴブレットスクワットは、身体の前側に重りを抱える動作という点も、有効だと思います。

自重スクワットすら上手くできない初心者でも、重心に大きな変化が生まれないレベルの低重量であったとしても、多くの場合ゴブレットスクワットはそこそこなフォームで実施できます。

身体の前に重りを持つと、自然と効果的にブレーシングでき、スクワットが上手くなるのです。

この動作不足を完全に克服した人は多くないと思います。

何年も練習している人でも、子どもの頃からスクワットをしていない限り、スクワットよりもデッドリフトの方が自然としっかりブレーシングできると思います。

しかしながら時間が経てば、スクワットとデッドリフトの差は大きく縮まります。

両種目とも非常に上手い選手のデータを見ると(2015年IPFノーギア世界大会の選手たち)、スクワットとデッドリフトに10%の差があるのが典型的に思えます。2/3の選手はデッドリフト最大重量の80~100%がスクワットの重量です。

IPF競技者のスクワットとデッドリフト比

階級(kg)1標準偏差(-)平均1標準偏差(+)
5982%90%98%
6681%88%96%
7478%86%95%
8381%86%90%
9380%88%97%
10584%92%100%
12091%98%105%
超級89%104%119%

2点注目したい点があります。

  • 120kg級と超級では、平均するとデッドリフトの重量とスクワットはほぼ同じ、スクワットの方が若干高い状態に限りなく近いです。
    胴体が分厚いことでスクワットのブレーシングがより効果的になるのか、腹部が大きいことでデッドリフトの挙上開始ポジションに悪影響を与えているかという要因があり得ます(特にナローデッドリフトの場合)。おそらく両者の組み合わせでしょう。
  • これらはニーラップなしの競技者です。ニーラップありの場合は、平均するとスクワットとデッドリフトの比率が1:1に近くでしょう。

「スクワットはデッドリフトの90%であるべき。以上。」、などと無条件に考えるのは、テクニックや体格(腕が異常に長いなど)を考慮できていないため、明らかに単純すぎます。

しかしながら世界レベルの選手間では、差は小さいものでした。

もちろん、世界大会出場権を獲得するには3試技とも固いトータルが必要なので、IPF世界大会ではどれか1試技のスペシャリストというよりは3試技全て上手い選手が自然と集まります。

しかし、世界大会において様々な体型の人がいるため、上記のデータは依然として使えると思います。

例えば、クシシュトフ・ヴィアズビツキーはデッドリフトに完璧に近い身体ですが(世界記録も持っています)、スクワットとデッドリフトに19%しか差がありませんでした。

ブレット・ギブスはいわゆるスクワット型の身体ですが、グループの平均である10%差に留まっています。

ブレーシングは何をすればいいのか

A) スクワットやデッドリフト前にプランクとサイドプランクを行う

恥ずかしながら、これはディーン・ソマーセットから盗んでいます。

スクワットやデッドリフト前にプランクを行う根拠は単純です。

関節の可動域や一定の可動域において筋肉が発揮「できる」力は、神経系によって大半が決まります。

その可動域で身体を動かす、その可動域で力を発揮することが安全だと神経系が理解すれば、そのように動かせます。

安全だと思わなければ、それ以上筋肉が伸展しないように抑えようとし、適切にコントロールできない可動域に行かないようにします。

神経系にとって好ましい可動域を無理矢理越えるように筋肉を動かすと、防御メカニズムとして、筋肉が本来の収縮力を発揮できません。

どこかの関節が望ましい動きをしないと、本来動くべきでない別の関節動作によって、もしくは本来関与すべきでない別の関節に働く筋肉の力によって、不足分が埋め合わされます。

スクワットの場合は、不足している股関節屈曲を埋め合わせるために腰椎が屈曲します。そうして、本来であれば股関節伸展筋群だけが重量を動かして、脊柱伸展を保持するために脊柱起立筋はアイソメトリック収縮していればいいものの、能動的に脊柱を再伸展させる必要が出てきます。

スクワットやデッドリフト前にプランクやサイドプランクをやることで、体幹筋群が望ましいように活動し、主動筋がさらに強く収縮しても股関節がより広い可動域に動いても安全だと、神経系に伝えてくれます。

この考えを初めて聞いた時はいかさまかに感じましたが、股関節が特別悪く感じた際に試してみたところ、素晴らしい効き目がありました。

特効薬とは言いませんが、2/3くらいの人は試した後に明確な差を感じると思います。

この考えについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を強くお勧めします。

B) 効果的にブレーシングをかける

効果的なブレーシングには、全身を使う必要があります。胴体のブレーシングが最も大事な要素かもしれませんが、それだけではありません、

足から説明を始めます。まず最初に、かかとを床に固定させ、親指と小指は床に押し付けることで3つの接触点を作るべきです。

これにより足の中心に重心を持ってこれます。

また、圧力の移動も感じられるダイナミックな基礎になるため、重りが前後にずれ過ぎないように調整できます。

上記は、クイン・へノック博士から学んだものです。

次に股関節です。股関節にテンションを生み出すために使われるイメージはいくつかあります。

最も一般的なのはおそらく「膝を外に」で、大体の人はこれで上手く行きます。

「足を地面にねじ込む」(足を固定した後に、つま先を外側に向けてかかとを内側に向けるように力を入れる)は、狭めな足幅でスクワットする人に効果的な傾向にあります。

「床を広げる」は個人的にイメージしており、広めな足幅でスクワットする人に効果的な傾向です。地震によって足の間に亀裂が生じて、意識的にその亀裂を広げるイメージをしましょう。

次に腹部です。横隔膜で深く呼吸して、腹部をブレーシングします。(胸ではなく、お腹へ息を吸います。息を吸った際に肩が上がっていたら、それは間違いです。)

お腹を膨らませて意識的に胸を張る、というアドバイスが昔はありました。

現在流行している方法は、脊柱伸展を保持しながら胴体全体を膨らませ、かつ肋骨を閉じる(胸椎の過伸展を防ぐ)というものです。

へノック博士とチャド・ウェスリー・スミスは、前方だけでなく全ての面でベルトに押し付け、腰にも呼吸を感じるようにする「360度の膨張」と言っています。

クリス・ダフィンは、腹斜筋を膨らませると言っています。こちらも妊娠したフリをするようにお腹を前方に押し出すだけでなく、先ほどと同様の目的を達成できます。

混乱させるつもりはないですが、どちらも試してみると良いでしょう。

チャドもクリスも、胸椎の過伸展を防ぎ、胴体全体を膨張させる肋骨を閉じたポジションを活かしています。

ロシアのエリートパワーリフターやウェイトリフターの多くはスクワット時にもっと伸展しています。

どちらも試してみて、自分にとって最も安定する方を確かめましょう。

C) ブリージングポーズスクワット

これは私が愛する種目です。以下の動画で、なぜ効果的なのか、どのようにしようするのか説明しています。

要点は以下の通りです。

  1. 胴体を固める主な要素は、腹圧と脊柱を支える体幹筋群収縮の2つです。
  2. 息を吐く時に腹圧が低下するため、身体が緩まった分だけそれらの筋肉が強く働いて脊柱を支えなければいけません。
  3. このポジションで意識的に呼吸することで、胴体の固さをサポートするために呼吸を自然と効果的に使えるようになります。
    そのためには、短く浅い呼吸をするのではなく、完全に息を吸って吐くことに集中する必要があります。
    スクワットで体幹筋群をより効果的にブレーシングさせる、より自然な感覚にするのに必要な動作を学ぶ近道です。
  4. ブリージングポーズスクワットは、高重量セット前のウォームアップや高重量後の補助種目、もしくは両方に使えます。
  5. 重量は抑えてください。10~20回深い呼吸ができる程度の低重量で行うのが最も効果的な傾向にあります。
    その方が怪我のリスクも抑えられます。マックス重量の高いパーセンテージで息を吐くのは良くないです。
    マックスの30%以下で1レップのみ2~3回行うことから始め、その重量に慣れて自信が身につくまでは重量を増やさないでください。
    私の場合は、マックス重量の50~65%で10~20回呼吸をするか、60kgで2~3分ボトムを保持します。

おそらくこれがパワーリフティングにとって最も特異性のある体幹種目でしょう。

左翼に思えるかもしれませんが、強いのにスクワットは下手な人多くに効果があったのを見てきています。

ブリージングポーズスクワットは、他に経験したどんな動作よりも、胴体の固さとスクワットの自信を身につける種目です。

胸部脊柱起立筋の筋力

もう一つの主要な違いが、胸部伸展筋群の役割です。

胴体が前傾するほど、脊柱起立筋の負荷は大きくなります。

つまり、ロックアウト時に脊柱伸展を保持するよりも、スクワットのボトムやデッドリフト挙上開始時に脊柱伸展を保持する方がもっと難しいです。

デッドリフトでは、胸部脊柱起立筋が弱くて挙上開始時に脊柱伸展を保持できないとしても、大きな問題にはなりません

トップポジションで脊柱を再伸展できる筋力があればいいだけです。

トッポポジションよりもボトムの方が脊柱伸展負荷が大きいため、挙上中に脊柱を完全に伸展できない重さでも、デッドリフトできます。

床からバーを浮かせる際に胸部伸展筋群の筋力を超える負荷でも、股関節が伸展するにつれて、脊柱伸展負荷は小さくなるため、胸椎を再伸展してロックアウトできます。

しかしながら、スクワットではその戦法を利用できません。一般的に、スクワット中に背中が曲がり始めたら、おしまいです。

多少は曲がっても大丈夫な人もいますが(長期的な脊柱の健康を考えると好ましくはないですが、少なくとも挙上は完了できます)、デッドリフトで良く見られる胸部屈曲と比べられるレベルではないです。

胸部脊柱起立筋が胸部伸展トルクを100生み出せるとしましょう。

250kgのデッドリフト挙上開始時に脊柱伸展保持に必要な胸部伸展トルクが100だとすると、トップポジションで脊柱を再伸展するのに必要な胸部伸展トルクは70で、250kgは簡単にデッドリフトできますが挙上中は脊柱伸展保持がギリギリになるでしょう。

300kgのデッドリフト挙上開始時に脊柱伸展保持に必要な胸部伸展トルクが130だとすると、トッポポジションで脊柱を再伸展するのに必要な胸部伸展トルクは100で、床からバーを浮かせた瞬間に胸椎は屈曲しますが、トッポポジションではギリギリ脊柱を再伸展しロックアウトできるでしょう。(説明を単純にするために、疲労は一旦無視します。)

しかしながら、スクワットで背中の角度が同様な場合、250kgが脊柱伸展を保持できる最大重量となり、スクワットの最大重量はおそらく250kgとなるでしょう。

高重量でスクワットする際は胸部屈曲するとほとんど失敗するため、必要な膝・股関節伸展トルクが生み出せたとしても、300kgはスクワットできません。

以前の記事で解説したように、胸部屈曲により股関節伸展負荷を多少なりとも小さくでき、スクワットで失敗する際は基本的に股関節伸展筋群が弱いからです。

そのため、胸部脊柱起立筋が股関節伸展筋群が弱い場合、デッドリフトでは胸部屈曲によりそれを補られ、スクワットよりも高重量でデッドリフトできます。

胸部脊柱起立筋が弱い場合、弱点補強に最も適しているのはフロントスクワットです。

股関節伸展筋群が制限因子となっている場合、グッドモーニング、ルーマニアンデッドリフト、ヒップスラスト、バンドニーリングスクワットなどが弱点補強に良いです。

まとめ

以下がまとめになります。

ポイント1

一見すると、多くの人はスクワットよりもデッドリフトの方が高重量の傾向があり、スクワットの方が可動域が広いため、デッドリフトよりもスクワットの方が本質的に難しいと思うかもしれません。

ポイント2

しかしながら、実際に動作を分析すると、スクワットはいくつかの機械的利点を持っています。

  1. スクワットの最も弱い部分は、デッドリフト挙上開始時よりも肩の位置が高い場所であること。
  2. スクワットでは、膝の前方移動がデッドリフトよりも制限されていないこと。
  3. 同じポジションを比較すると、デッドリフトは静止状態から引くのに対し、スクワットでは推進力が生まれていること。
  4. デッドリフトではスティッキングポイントを越えた後でも十分失敗する可能性があるが、スクワットではスティッキングポイントを越えるとほとんど成功が保証されていること。これによりスクワットの方が本質的に容易だと考えられるでしょう。

ポイント3

多くの人がスクワットよりも高重量でデッドリフトできる主要因として、デッドリフトのブレーシングが自然に行えるからという点があります。

バーベルに触れる前からデッドリフトのブレーシングパターンは染み付いていますが、高重量スクワットのブレーシングは筋トレを始めるまで習得する機会がありません。

ポイント4

スクワットよりも高重量でデッドリフトさせるもう1つの要因は、スクワットよりもデッドリフトの方が胸部屈曲に耐えられるからです。

ポイント5

初心者や中級者の多くはスクワットとデッドリフトの差が大きいかもしれませんが、平均すると、軽量級のエリート選手の場合はその差が10%以内に収まり、重量級の選手の場合はスクワットとデッドリフトはおおよそ同重量です。

ポイント6

スクワット前にプランクとサイドプランクで体幹筋群を活性化させる、全身で効果的にブレーシングする、スクワットへの特異性の高い体幹トレーニングを行いましょう。(ブリージングポーズスクワットが私の中で定番ですが、フロントスクワットやファーマーズウォークなども良いでしょう)

それにより、高重量スクワットにおいて必要な胴体の固さや、動作パターンへの自信が身につきます。

ポイント7

スクワットがデッドリフトに完全に追いつかない可能性が高いですが(追いつく可能性もあります!)、体幹の強化、ブレーシングの練習、胸部脊柱起立筋の強化を行うことで、スクワットとデッドリフトが同様の数字になるように差を埋められます。


スクワットとデッドリフトが似たような重量になることは例外的ではないべきです。スクワットのトレーニング方法がわかっていれば、それが普通にならない理由はありません。

デッドリフトに適した体型をしていたとしても、差が20%も開いていたらスクワットをもっと頑張らなければいけませんし、スクワットに大きな伸び代があるということになります。

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